恋涙
年が明け、一か月経っても二か月経っても連絡が取れない日は続いた。
不安になって私からメールしたこともあったけど、返信も電話もなかった。
私はそれが全てだと思ったし、改めて茨城に行って「もう付き合えない。好きじゃない。」って言われるのが怖かった。
だから、あえて私も茨城に行こうとは思わなかった。
咲や秋人に聞こうと思っても、二人とも連絡が途絶えてしまった。
そこで私が茨城に行って真相を確かめていたら、今こんなに後悔はしてなかったと思う。
だけど、私にはそんな勇気はなかった。
そんな状態が半年以上続き、中学生活最後の夏休みがやってきた。
県総体の前日だったかな、必要な荷物をまとめてるとき、ケータイが震えた。
着信だ、と思ってディスプレイを見ると「公衆電話」と書かれていた。
そういう電話はいつもは出ないんだけど、結稀と連絡が取れなくなってからどんな知らない番号でも取ってしまうようになっていた。
「もしもし。」
「・・・・。」
いたずら電話かな?気持ち悪い。
そう思って電話を切ろうとした。
だけど、なんとなくもう一度ケータイを耳に当てた。