恋涙
結稀の火葬は祖父と同じところで行われることになった。
まだ姿があるから・・・
触れるから・・・
その感触があるから・・・
だからまた目を開けて笑ってくれるって信じてた。
火葬場に着くと、そこは驚くほど咽返るような死の匂いがした。
もう、彼の姿を見ることもない。
もう、二度と・・・。
最後にたくさんの人が棺の中で眠る結稀の姿を見た。
小中の同級生。
高校のクラスメイト。
最後の別れは涙で溢れかえっていた。
私は彼のお父さんとお母さんと一緒に最後に彼の姿を見た。
まっ白い顔をした彼の頬に触れて、最後に口移しで彼に水を飲ませた。
そのまま彼の胸に頬をあてて泣いた。
離れたくなかった。
「嫌だよ・・離れない!絶対やだ!」
私は結稀にしがみついた。
それを誰も止めようとはしなかった。
ただ・・・周りも私をかわいそうだと思って泣いているだけ。