恋涙
永遠の別れ
結稀は白い灰になった。
それは重みも、体温もない。
彼の面影もない。
だけどそれは私が十年もの月日を一緒に過ごした、たったひとりの大好きな人。
私はそんな姿になった彼を直視することができなかった。
小さい頃からずっと一緒に成長してきた。
ずっと手をつないで歩いてきた。
ずっと支えあいながら生きてきた。
今までも、そしてこれからもずっとずっと一緒にいたかった。
おじいちゃんやおばぁちゃんになって、お互いの人生をもう一度見直す余裕ができる年齢になってから、こんな別れがあるんだと思ってた。
諦めきれなかった。
彼と離れなきゃいけないことを。
彼が死んだことを。
「どうして?」っていう疑問しか出てこない。
これからどうやって生きていけばいいのか分からなかった。
彼のいない世界で、どうやって生きていけばいいのか。