恋涙
火葬も通夜も終わった夜。
私は咲の家に泊まることになった。
私は放心状態で、咲のベッドにずっとよりかかったままだった。
柚也兄ちゃんが様子を見に来てくれたけど、彼と似ている柚也兄ちゃんの顔も見たくはなかった。
どんなに泣いたって、喚いたって結稀は死んだ。
この目で灰になった彼を見た。
もう隣りで笑ってくれない。
二人一緒に顔を見合せて笑っていた日々はどこに行ったの?
幸せじゃない。
二人一緒じゃないと幸せになんてなれない。
いつだって一緒じゃないと生きていけない。
私にとって、このとき辛いことが二つあった。
ひとつは結稀が死んだこと。
そしてもうひとつは
自分が生きていること。