恋涙
空が青く澄んだ日の午後、もの思いにふけっていると秋人と咲がお見舞いに来てくれた。


咲も秋人同様、私の幼なじみ。


同じ歳だけど、3人も子供がいるんだ。


一人目は16歳で生んでる。


そして、今4人目を妊娠中・・・。


旦那さんの柚也兄ちゃんも私たちの幼なじみ。8歳年上で今はお医者さん・・・。




二人の結婚は電撃的だった。


まぁいわゆる“できちゃった婚”だけど、咲は真面目で、髪だって一度も染めたことないくらい。


子どもたちのおやつは必ず手作り。



本当にいいお母さんだし、いい奥さんだと思う。








「ごめんね、心配かけて。」



私の一言に咲は「何言ってるの!」と怒る。







「元気そうでよかったよ・・・記憶、まだ戻らない?」



「うん・・高校時代の半分は記憶無い。」





「じゃあ、結稀君のことは覚えてるのね?」



「おい、咲。」

静かに話しを聞いてた秋人が、その質問は無いだろうというような感じで咲の腕を掴んだ。


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