恋涙
宮城に戻ってからも、私は自分が生きていることを責め続けた。
もちろん、受験勉強すら手につかなかった。
周りは塾に通って成績をどんどん伸ばしていく。
だけど、私は三年生の最初の模試より100点以上も成績が落ちてしまった。
高校なんて行かなくていい。
生きているので精一杯だった。
「結稀の分まで生きる」
その気持ちを時には忘れそうになって、手首を切ったこともある。
どの古傷を見て、今でも忘れないことが一つだけある。
それは結稀が死んだこと。
もう、彼はこの世に存在しないんだということ。
そうやって私は今まで生きてきた。
傷を見ることで、彼がいないということを自分に思い知らせて生きてきたんだ。