恋涙
結稀が亡くなって三か月の月日が経った。
私は相変わらず笑顔を作ることも出来ず、高校受験も諦めていた。
そんなとき、当時の担任の先生が私を呼びだした。
「失礼します。」
私が職員室のドアを開けると、何人かの先生は私を見ていた。
事情は知らなくても、どの先生も私に何かあったことは気付いていた。
あとから聞いた話、職員会議で私の話が出たくらい。
それくらい成績が落ちてたからね。
担任の跡部先生のところに行くと、先生は私に「座れ」と、イスを差し出した。
「絢香、何があったかは聞かない。だけど、悩んでることがあるなら話してみろ。」
跡部先生は腕を組んで話し始めた。
「今は勉強できないんです・・気持ちの余裕がありません。」
「高校、行きたいか?」
跡部先生に聞かれて初めて考えた。
高校に私は行きたいのか?
「小学校の先生になりたい。」
彼の夢を私が追い続けてあげたい。
高校に行って勉強しよう。
そう思った。