恋涙
十章
新しい想い
高校生活も、前半は何事もなく穏やかに過ごしてきた。
新しい友達に結稀のことを話すことはあまりなかったけど、高校二年生くらいから少しずつ仲の良い友達には話せるようになった。
それでもやっぱり夜になると、堪え切れない不安と絶望で泣いてしまうこともあった。
高校二年生は特別だった。
結稀が亡くなった歳だから。
彼は12月生まれだったから、正確には16歳でこの世を去った。
私は彼の歳を追い越して、17歳になった。
彼が迎えることのできなかった17歳に。
こうやってどんどん私は彼の歳を追い越していくのかと思った。
結稀は亡くなる前に私に手紙を残していた。
それは毎年誕生日に一通ずつ届く。
16歳から、20歳まで。
その手紙は読んだら必ず燃やしてる。
そうじゃないとこの先の未来を生きていけないから。
もう、内容もほとんど覚えてないけど・・・