恋涙
秋人の言葉に不思議と驚かなかった。
だけど、これで本当にみんなバラバラになるんだなぁと思った。
「そうなんだ・・頑張ってね。これからはもうほとんど会えなくなるね。」
私はそれだけ言葉をかけた。
ふと視線を上げると、秋人が私の目をじっと見ていた。
「まだ、結稀兄ちゃんのことが忘れられない?」
秋人が急に真剣な顔で聞いてきた。
「なんでそんなこと聞くの?」
「今は結稀兄ちゃんの代わりでもいいから、隣にいてほしいと思う。」
それは秋人からの二度目の告白。
結稀がいなくなって二年。
結稀はどう思ってるんだろう?
だけど、少なくとも私は遠くに行ってしまう秋人の背中を掴みたいほど寂しい気持ちがあったことは確かだ。
結稀が一番だけど、きっと秋人を傷つけるけど、
それでもいいと、彼は私に手を差し伸べた。
私は秋人と付き合うことを決めた。