恋涙
ちょうどそんなときだった。
自分の体に異変を感じたのは。
微熱が続いて、咳が一か月以上も続いた。
だけど特にひどく具合が悪いわけじゃなかったから、放っておけば治るだろうと、私は病院には行かなかった。
忙しかったんだ。
ちょうど高総体の時期で、写真部の部長だった私は撮影スタッフとしての部員のネームを作るよう、顧問に指示されていた。
人数が多いため、その作業時間はハンパじゃなかった。
結局、私と副部長で学校のPC室を使ってネームを作ることになった。
それは生徒総会のあった日の昼休み。
作業が終わらなくて、結局私たちは生徒総会をサボって作業を続けた。
すると、隣のPC準備室からスーツを着た若い先生が出てきた。
「何してるんですか?」
その先生は私たちの姿を見てびっくりしている。
あまり関わったことのない先生。
廊下で何度か見かけたことがあって顔を知っているくらい。
これが先生との出会いだった。