恋涙
二章
出会い
結稀と出会ったのは15年前。
1993年、夏。
当時私は5歳。彼は7歳だった。
あれは初夏の日差しが眩しい青空の日。
私は茨城県にある母方の祖父の家に遊びにきていた。
私の両親は夫婦共働きで忙しく、医療の現場で働いていたために夜勤などもあり、夏休みなどの長い休みには住んでいる宮城県から離れて祖父の家に預けられることが多かった。
といっても、遠くに嫁いできたのは母だけだったので茨城にはたくさんのイトコたちがいて寂しくはなかった。
むしろ、自分から「行きたい!」と言って母を困らせていたくらい。
おじいちゃんに「行きたい」って電話をすると、すぐに茨城から宮城まで迎えにきてくれる。
彼に出会った年も同じ。
夏休みに入ってすぐに私は母の実家に遊びに行った。