恋涙
そんなこともあって、私は進路についてすごく迷ってた。
迷っているうちに、高校総体も終わり、部活の仕事も一段落した。
六月に入ったころ。
朝のホームルームで担任の先生が黒板にあるプリントを掲示した。
「これ、各自の進路担当の先生決まったから、確認して挨拶に行くように。」
その言葉に、周りの友達が一斉に黒板に集まった。
「絢ちゃん、見に行こう。」
私を誘ったのは、前の席の麗。
「あ、私担当の希望出してないの。推薦とか受けないから。」
「そうなんだ。」
進路の担当も決まってしまって、私は本当に焦っていた。
でも、もし県内を受験するとしても一般で受ければいいかな、という思いがあった。
せっかく予備校にも行ってるんだから、推薦とかAOで受けても仕方ない。
そう思ってたんだ。このときは。