恋涙
ちょうど同じ時期、私はワープロ検定を友達と受けることにした。
高校の授業で取り入れるのは三級だったから、だいたいの人は三級を受験していた。
だけど私はなんとなく二級を受けることにした。
パソコンは好きだったし、挑戦してみたいという気持ちがあった。
二級は高校の授業ではやらないから、補習があったんだ。
そうとは知らずに受験を決めてお金を払ってしまった私は少しだけ後悔していた。
パソコンの補習するなら、受験に必要な補習をしてよ・・・って思った。
補習はだいたい昼休み。
初めての補習の日、私は急いでお弁当を食べてPC室に向かった。
二級を受けるのは六人と聞いていたが、ドアを開けると補習に来ている人は一人もいなかった。
黒板の前にはあの若い先生が一人で座っている。
「私一人ですか?」
私が話しかける。
「まぁ、合唱コンクール前だしね。」
先生は私にプリントを渡す。
私は課題のプリントを少し眺めて、パソコンのスイッチを入れた。