恋涙

その後も、補習に行くたびに先生とよく話すようになった。



進路のこと、家族のこと、自分のこと。



気が合うというか、話してて楽しかった。



自分はいつからこんな風に自分のことを話すようになったのかと思った。




検定は合唱コンクールの次の日だったから、補習に来る人は本当にいなかった。




最後の補修に数人ちらほらと来たくらいだったかな。




相変わらず私は進路のことで悩んでいたけど、「どっちでもいい。」という先生の言葉で、地元の大学の受験を少しずつ考えるようになった。




もちろん秋人にも相談したけど、秋人は心配だから地元の大学に進んでくれ、と何度も言っていた。




本当は付き合ってる秋人に相談すればよかったんだけど、なんとなく先生に相談するほうが気持ちが落ち着いた。




それもまた不思議な話なんだけど・・・




まぁオーストリアにいる秋人よりは、身近で、しかも教師の先生の方が相談しやすかったんだと思う。






そんなこともあって、秋人とは少しずつすれ違うようになっていった。



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