恋涙
一週間後、私は予備校の前に学校に寄った。
先生たちはほとんど来ていなくて、校舎はとても静かだった。
PC準備室も鍵がかかっていて、ドアに大きな封筒が貼り付けられていた。
中を見ると、「及川さんへ」と書かれている緑色の小さな封筒が入っていた。
私は教室に移動して窓を開け、窓によりかかるようにしてその封筒を開けた。
中にはエントリーシートが入っていて、私の志望動機を赤ペンでわかりやすく添削してある。
ふと、後ろに文字が書いてあるのに気づき、私は用紙を裏返した。
そこには具体的な添削と、ちょっとしたメッセージ。
そして先生のメールアドレスが書かれていた。
「わからないことがあったらメールしてください。」
そして最後にこんなことも書かれていた。
「いろいろ大変だと思うけど、絶対合格するんだっていう気持ちが大切だぞ。」
その言葉がちょっとだけ嬉しく感じた。
教室の窓からは青空が見えて気持ち良い風が入ってくる。
その青空を見て、結稀の命日が近いな・・・と思った。