恋涙
祖父の家での私の日課は愛犬タローの散歩。
必ず朝、起きてすぐに行く。
私が起きる頃には祖父はすでに着替えをして、仕事の準備をしている。
私の祖父の職業は建築業。
一応社長で、従業員の出入りは激しかった覚えがある。
誰からも慕われる祖父は私の理想であり、自慢だった。
あの日もいつもと同じように起きてすぐにタローのもとに向かった。
リードを持つ私を見ると、タローはいつもしっぽを大きく振る。
今でも私の記憶に鮮明に残ってるのは、朝の祖父の姿としっぽを大きく振るタローの姿。
そんな二人は今、天国から私を見守ってくれている。