恋涙
文化祭も近くなって、また部活の仕事が多くなった。
三年生は出店するから、だいたい二年生が中心になって文化祭の準備をするんだけど、この年の写真部は転部者がほとんどで暗室での現像の仕方も出来ない状態だった。
新学期が始まったころ、私は部活の顧問に呼ばれた。
「今年は一年生は入ったばかりだし、二年生も今年度写真部に入った子たちだから写真のことはわからない。俺も今年からの顧問で何も分からないから、悪いんだけど部長が文化祭の準備見てやってくれないか?」
私は文化祭の二週間後にAOの試験を控えている。
そんな暇はない。と思いながらも、部長の責任でもあると思って引き受けてしまった。
「わかりました。一年生と二年生をグループ分けして暗室に入れます。」
当時の一年生と二年生の部員数は24人。
結局私は現像の仕方を全員に教えながら文化祭の準備のリーダーとして動くことになった。
この頃は本当に忙しかった。
学校に来て勉強をして、昼休みに後輩に暗室の使い方を教えて、放課後に部活の仕事をして、受験の準備をして、予備校に行って、夜中に帰ってきて、勉強して・・・
睡眠時間は4時間程度だった。
それに加えてエスカレートするストーカー行為。
精神的にはボロボロで、ごはんもまともに食べられない日が続いた。
とにかく限界を感じていたんだ。