恋涙
二日間に渡り、文化祭は行われた。
一日目は何もなく無事に終わったが、あの男がいつ現れるかという不安でいっぱいだった。
校内は先生たちが見回ってるから大丈夫。
そう自分に言い聞かせていた。
文化祭二日目、私は中央階段の下で友達と呼びこみをしていた。
溢れかえる保護者や来客者たち。
その波は本当に一瞬だった。
どっと人が寄ってきた。
「うわ、どこから来たの、この人数。」
友達が人ごみに押しつぶされながら言う。
看板を持って呼び込みどころではなくなった。
とりあえず教室に戻ろう。
そう思ったとき、事件は起きた。
それは本当に一瞬の出来事。