恋涙
過労
教室に戻ると、もうホームルームは終わっていて教室には誰も残っていなかった。
帰ろうかと思ったけど、泣いて腫れている目で予備校に行くわけにもいかないと思って、教室を出て私は廊下の窓から空を見ていた。
ふと、隣のクラスから知紘の声がする。
少しだけ覗くと、知紘と写真部のメンバーが残っていた。
「あ、絢ちゃん!・・・え?どうしたの!?」
みんな私の異変に気づく。
私は被害にあったことを知紘と部員に話した。
話しているうちに涙がまた止まらなくなってくる。
「今日は佐藤先生に送っていってもらいなよ。」
知紘が私に向かって言った。
今日だけは迷惑をかけるとわかっていても、その方がいい。そう思って私は頷いた。
知紘は先生を呼んでくる、と言って教室を出た。
写真部のメンバーは知紘が帰ってくるまでずっと一緒にいてくれた。
私は本当に迷惑かけてばっかりだ。
なんでこんな目にあわなきゃいけないんだろう。
もう、考えるのがいやになった。
そして頭が急にフラフラしてきて、何も考えられなくなった。
周りの声も遠くなって、目の前が真っ暗になっていく。
私はそのままイスから落ちて気を失った。