恋涙

24時間、私は点滴を打ち続けた。


過労とストレスが原因だからと言って大きな検査はせずにすぐに退院になった。



久し振りに学校に登校した日、私は午後から授業に出ることにした。



入院中、先生とは会わなかった。


すぐに退院したから当たり前だけど・・・



教室に行くと、みんな復帰を喜んでくれた。



休み時間に知紘のクラスに行くと、知紘も私を抱きしめて喜んでくれた。



「ほんと心配したんだからぁ!」


「知紘ごめんね。心配かけて・・・」


「佐藤先生には顔見せた・・・?」


「まだなんだ・・。」


「早く見せてきなよ。先生の心配は尋常じゃなかったんだから。」


「わかった。」




放課後、私は先生のところに行くことにした。



だけど、迷惑をかけてしまったことが申し訳なかった。


いろいろ大変なのに、余計な心配をかけてしまった。



「元気になったよ。」って顔を見せなきゃ悪いって思ったけど、会わせる顔がなかった。




そう思いながら先生のところに行くと、先生はその日出張だった。



心のどこかでがっかりしている自分もいた。





< 211 / 366 >

この作品をシェア

pagetop