恋涙
十一章
救い
学校に復帰した次の日、私は放課後先生のところで面接練習をすることになった。
そのとき、ちょうど知紘も一緒にいて、面接官が二人という設定で練習をしてた。
一通り練習が終わって帰るとき、あたりはすでに暗くなっていた。
施錠のアナウンスが校内に響いて、私と知紘はPC準備室を出た。
校舎の外に出ると、その暗闇が急に怖くなった。
またあの男がいるかもしれない。
殺されるかもしれない。
私はその場に座り込んでしまった。
「ちょっと、絢ちゃん大丈夫?」
知紘が声をかける。
「うん・・ちょっと待ってね。」
少ししたら落ち着く。大丈夫。
そう思って落ち着くのを待っていると、そこにちょうど先生が通った。
「どうしたの?」
先生が私に寄ってくる。
「絢ちゃん、やっぱり怖いみたい・・・。」
知紘が私の背中をさすって先生に言う。
ストーカーのことを知っているのはこの二人だけだ。
「今日は送っていくから。」
先生が私と同じ目線で話す。
「でも・・・。」
私は知紘の方を見た。
「絢ちゃん、そうしてもらいなよ。私も乗っていくから!それならいいでしょ?」
その言葉に結局私は先生の車に乗せてもらうことにした。