恋涙
受験
退院して約二週間後、私は大学のAO入試を迎えた。
面接練習もあまり出来なかったし、それよりも自分の中にまだ迷いがあって不安だった。
本当にこれでいいのかって。
もちろん、ここまで先生が一生懸命面倒みてくれたから合格はしたかった。
だけど・・自分は家族のためとか、自分のためって言ってるけど本当は自分に負けてるだけなんじゃないかって思ってた。
同じクラスの子と一緒に試験会場の大学に向かって、私は教室の中に入った。
両隣は男子学生。
この人たちは私と同じ歳だけど、結稀より“年上”なんだ・・って思った。
模擬講義を受けて小論文を書いて、そのあとで面接があった。
あまり緊張とかしない私だけど、このときはドキドキしてた。
でも、面接に対する緊張じゃなくて「自分の人生はこの選択で決まるんじゃないか。」っていう思いにドキドキしてたのかもしれない。
そんな不安も抱えたまま、AO入試は終わった。
手応えとか、そういうことは考えなかった。
正直・・・合格でも不合格でも複雑だった。
でも、これで合格しても二次試験がある。
結果は一週間後だった。