恋涙
試験が終わって、私は先生のところに面接をきちんと受けられなかったことを報告した。
先生は私にかける言葉が見つからない様子で、ただ「仕方ない。」を連発してた。
「君は何も話してくれないから・・・」
先生が私の顔を見た。
それはきっと病気のことを言うなら今だよって言いたかったんだと思う。
でも、私は受験が終わるまで病気のことを話さないつもりで、代わりに先生に過去の話をした。
「私ね、4年間付き合った人がいたの。」
「え・・そうなんだ。」
「幼なじみで、本当に好きだったんだ。・・・でも、その人は白血病で死んじゃった・・」
先生は嘘だろ?というような顔で私を見てた。
「人は元気でも、病気になればいつ死ぬか分からない。彼が死んだ歳と、今の私の歳はほとんど変わらない。私、いつまで頑張ればいいの?何を頑張ればいいの?」
私の目に涙はなかった。
本当に分からなかったから。
でも先生は私の質問にこう答えたんだ。
「君は死ぬまで頑張らなきゃいけない。生きることを頑張らなきゃいけない。でも、頑張ることと無理をすることは違うんだよ。」
こんなに私のことを考えて答えてくれる人は他にいないと思った。
私が辛いとき、必ず隣にいてくれる。
それは甘くて優しい言葉だけじゃない。
私の辛さを感じてくれるからこそ言える言葉。
そして思ったんだ。
「先生が好き。」って。