恋涙

隠した気持ち


二次試験の結果は、もちろん不合格だった。


先生は推薦入試を受けるように進めたけど、私にはそんな体力がなかった。



日に日に体調は悪くなって、遅刻や早退も増えていった。


午後に来てもすぐに帰ったり、午前中しかいられなかったり。


でも、先生が引き続き小論文も見てあげるから、と言い、私は推薦入試を受けることにした。


別に心の底から行きたいと思ってるわけでもない大学に、どうしてこんなに時間をかけてるんだろうって何度も思った。


それでも先生が頑張ってくれるから、私もそれに答えなきゃいけない。

絶対合格しなきゃいけないんだって感じてた。




ある日の放課後、私は先生に小論文を出して、自転車で予備校に向かっていた。


信号を渡って国道を横切り、小さな路地裏に入ると一人の男性の姿が見えた。


それはあのストーカー。


しばらくは知紘と一緒に帰ったり、先生が車で送ったりしてくれてたから一人で帰ることはなかった。

その間にストーカーのことは少し遠い記憶で、この日は久しぶりに予備校に行く日で一人だった。



私は自転車のペダルをすごい勢いで漕いで、ストーカーの横を過ぎ去ろうとした。


そのとき、その男は私の自転車の前輪に足をかけ、自転車を倒した。



激しく頭を打った私は、どこからなのか出血していた。



「あの先生のことが好きなのか？」


その男は倒れている私の前に立って私を見下ろしながら言った。


「あの男と車でどこに行ってるんだ。ラブホか？」


男はしゃがみ込んで私と同じ目線になる。


私はスクールバックを取って、胸の前で抱えた。



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