恋涙

はっと目が覚めると、すでに50分も過ぎていた。


「えっ!?やばい!」


私は急いで先生のところに向かった。


「失礼します。」


部屋に入るともう先生しかいなかった。



「先生ごめんね、教室で窓の外見てたら眠くなって・・・」


私は顔の前で両手を合わせた。


「来ないなーって思ってたよ。またどっかで倒れてるのかと思った。」


「大丈夫だよ(笑)メールして起こしてくれればよかったのに。」


「まぁ・・・」



そんな話をしていた時、私は提出する小論文を教室に置いてきてしまったことに気づいた。



「あ、小論文教室においてきちゃった。」



「え?今日は小論文じゃなくて面接の練習する日じゃなかった?」


「そうだっけ?」


「うん。小論文はこの次でいいよ。」


「じゃあ面接の練習?」


「校長先生に呼ばれた時点で無理でしょ。」


その時ふと思った。


じゃあなんで先生は私に帰りに寄るように言ったのか・・・。



「帰ろうか。」


先生が車のキーを取り出した。


「送ってく?」


先生が私の目を見る。


「うん。」


そう言って私と先生は学校を後にした。



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