恋涙

PC準備室を出てふと疑問に思った。


小論文を提出してから先生は三日後くらいに添削して返してくれる。

だから今日は会議が終わるのを待っていなくても、先生の机に出しておけば良いんじゃないのか・・。


そのとき思った。


「あぁ、そっか。金曜日に大事な話があるって言ってたんだ。」って。


先生はちゃんと覚えてくれていた。


それが嬉しかった。




放課後、私は誰もいない教室で一人勉強をしていた。


いつも窓際の席に座って、外を見ながら大好きな音楽を聴いてた。


いつもどうして辛いと言えないんだろう・・・どうして自分の気持ちに素直になれないんだろう・・・そんな思いを聴いている音楽が余計に増長させて涙に変わった。



このままもし卒業出来ずに死んでしまったら・・・


こんな状態のまま卒業して、自分は大丈夫なのか・・・



どうして自分なのか、どうして今なのか・・・


先のことを考えると不安だった。



そんなことを思って涙を止められないでいると、ケータイが鳴り出した。


先生の時だけ七色に光るケータイのランプ。



『会議終わりました。今なら大丈夫です。』



その文面を見て、私は一生懸命涙を拭って上を向いた。



先生にバレないように。


新しい笑顔を作りながら。
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