恋涙

週に一度の通院以外は、私は薬も飲まないし、点滴も打たなかった。


辛かった副作用は止まって、すごく体が楽だった。


なんだ、薬飲まなければ病気なんて大したことないじゃんって思うくらい。


むしろ、薬を止めて病気が治ったんじゃないかって思った。


だけどそれは違った。

自分の体が日に日に重くなっていくのがわかった。


そして自分一人ではできないことも増えていったんだ。




推薦入試が終わってからは先生とはあまり会わなくなった。


小論文を見てもらうわけでもないし、今度は自分の学力一本だからね。


勉強のスケジュールはすごくハードだった。


基本的な生活習慣のほかは全部勉強。


休み時間も、通学の途中も。


受験に関係ない授業のときはその授業の間ずっと受験勉強してた。


まぁ多分、全国の受験生がそうだよね。



高校が終わると予備校に行って、終電くらいで家に帰ってきて、そして朝は六時過ぎには家を出て学校で勉強してた。



体調がよかったのは最初だけ。


一週間もすれば背中の痛みが出てきて、顔も青ざめてた。


夜は痛みで眠れなくて、布団を何重にも重ねて、それにもたれかかるようにして寝てた。




そんな私を支えてくれたのは友達の麗だったんだ。







< 246 / 366 >

この作品をシェア

pagetop