恋涙
週に一度の通院以外は、私は薬も飲まないし、点滴も打たなかった。
辛かった副作用は止まって、すごく体が楽だった。
なんだ、薬飲まなければ病気なんて大したことないじゃんって思うくらい。
むしろ、薬を止めて病気が治ったんじゃないかって思った。
だけどそれは違った。
自分の体が日に日に重くなっていくのがわかった。
そして自分一人ではできないことも増えていったんだ。
推薦入試が終わってからは先生とはあまり会わなくなった。
小論文を見てもらうわけでもないし、今度は自分の学力一本だからね。
勉強のスケジュールはすごくハードだった。
基本的な生活習慣のほかは全部勉強。
休み時間も、通学の途中も。
受験に関係ない授業のときはその授業の間ずっと受験勉強してた。
まぁ多分、全国の受験生がそうだよね。
高校が終わると予備校に行って、終電くらいで家に帰ってきて、そして朝は六時過ぎには家を出て学校で勉強してた。
体調がよかったのは最初だけ。
一週間もすれば背中の痛みが出てきて、顔も青ざめてた。
夜は痛みで眠れなくて、布団を何重にも重ねて、それにもたれかかるようにして寝てた。
そんな私を支えてくれたのは友達の麗だったんだ。