恋涙

麗は出席番号が私の一つ前。

そして席も一年間ずっとひとつ前だった。


最初はすごいギャルみたいな子だなって思って近寄りがたいイメージがあったんだけど、話してみるとすごくいい子で、すぐに仲良くなった。


お互い仲良しのグループは違ったけど、お昼ごはんはほとんど一緒に食べてた。


休み時間に購買にパンやアイスを買いにいくのも一緒。


麗は授業中よく横を向いて私としゃべってた。


だから卒業アルバムにもその光景がしっかり載ってる。



麗はいつも私のことを心配してくれた。


そして先生と私が噂になったときも麗はいっぱい尋問されたのに、すべてを隠し通してくれた。



外国語系の専門学校に入学が決まっていた麗は、私に「手伝うよ。」と言って勉強を手伝ってくれた。



掃除の時間に問題を出してくれたり、採点をしてくれたり・・・。


日曜日も学校に来てくれて、「差し入れ!」って言ってヨーグルトとか栄養ドリンクとかを買ってきてくれた。



そんな彼女の優しさが私にとってすごく支えになった。


麗は「頑張ってね。」じゃなくて、「頑張ろうね。」っていつも言ってくれた。



だから自分は一人じゃないって思えたし、自分の決断も無駄にはならないように頑張ろうって思えた。



今でも懐かしい。


教室のストーブを囲んで、麗と二人で勉強したこと。


ストーブの灯油がなくて、わざわざ反対側の校舎の空き教室まで行って勉強したこと。



すべてがもう戻らない日々。


そう思うと少しさみしい。



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