恋涙

次の日、私は願書を見せるために先生のところに行った。


だけど願書は全く出来上がってなくて、見せられる状況ではなかった。



「あー、先生だめだ。これもう一回出直してくる。」


先生の隣で一生懸命願書を書いてたけど、終わるはずもなかった。


「あ、そう。じゃあまた後日ね。」


「ごめんね、先生。忙しいのに。」


「いーえ。顔色悪いけど体調には気をつけろよ。」



「大丈夫!平気平気。」


「ほんとかー?」


「うん。じゃあまた来るねー。来年になっちゃうけど(笑)」


そう言って私が教室を出ようとしたときだった。



「あ、ちょっと待って!」


先生が私を呼びとめた。


「ん?」


私はもう一度先生の方に体を向けると、先生は自分のカバンの中をあさって小さな袋を取り出した。


「はい、これ。昨日の御礼。」


先生はその小さな袋を私に渡した。


「昨日の御礼って別にお菓子おすそわけしただけじゃん。」


「まぁ、いいから、いいから。」


「ありがとうございます。でも先生、クリスマスに学校で仕事なんて独身男性はさみしいね(笑)もしかして24日も学校にいたの?」


「いや、24日は県内にもいなかったよ。山形に行ってた。」


「山形?またなんでそんな・・・」


「まぁちょっとね。とにかく願書今度は完成させてこいよ。」



「はーい。じゃあ先生ありがとね。」




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