恋涙

一月の終わりから本格的に受験が始まった。


受験二日目の大学は午前中で試験が終わって、すごく先生に会いたくなって、わざわざバスに乗って学校まで行った。



大雪の中、何度も滑りながら(笑)



受験が終わったらきっと会えなくなるから、その前に一秒でも長く先生に会いたかった。



大きな体調の乱れもなく、願書を出した三校とも無事に受験することができた。


結果はわからないけど、自分との闘いには勝った。

そう思ってた。



すべてが終わって、私は先生に病気のことも全部話そうと決めた。


自分なりの不器用な言葉でいい。

本当のことを伝えて、そして先生から卒業するんだ。




私はすべての受験日程が終わった次の日、先生に会いに学校へ行った。



PC準備室に入ると、幸運なことに先生しかいなかった。


「先生。」


「お、受験おつかれさま。どうだった?」


「うん、まぁまぁかな。」


「ま、もともと成績だけはいいから大丈夫じゃない?」


「なんか気に入らない。」


「で、どうしたの?今日は。」


「先生に大事な話があってきた。」




先生はこのとき、いよいよかって思ってたと思うんだ。


私が気付いてなかっただけで、先生は私のことたくさん気づいてたんだ。


だから余計に私は先生に心配をかけていたんだと思う。






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