恋涙
2月14日。
私は麗と学校の近くのデパートで待ち合わせをした。
この日はバレンタインデー。
高校の事務の人と仲の良かった私たちは、事務室にチョコを配ろうと一緒にチョコレートを買いに行った。
二人でお金を出し合ってチョコを買って、それから学校に向かった。
特に仲の良い事務の赤間さんはすごく喜んでくれた。
事務室をあとにすると、麗が私を呼びとめた。
「絢ちゃん、先生にもチョコ渡してきなよ。検査の結果、まだ報告してないんでしょ?」
少し先を歩いていた私は足を止めて麗の方を見た。
「・・・うん。じゃあちょっと行ってくるね!」
私は思いっきり階段を駆け上がって先生のいる部屋に向かった。
ノックをして部屋に入ると、先生しかいなかった。
検査の結果をまだ知らない先生は、私の顔を不安そうな顔して見ているのが分かった。
「お。今日はどうしたの?」
「先生に報告があって。」
「検査よかったんだね。」
「え・・何でわかったの?」
「顔に書いてあるから。」
「また出た、『顔に書いてある』。」
「だってわかりやすいんだもん。」
そう言って私たちは顔を見合せて笑った。
「でもよかったな、ホント君の努力はすごいよ。」
「違うよ、先生。私一人だったら何も頑張れなかった。先生がいて、友達がいてくれたから最後まで頑張れたの。先生ありがとう。」
そう言って私は用意していたチョコを先生に渡した。