恋涙
恋心
月日は流れ、出会ってから六年が経とうとしていた。
この年の夏休みは今までのようにはいかなかった。
結稀も中学生になって、部活や勉強で忙しかったからである。
そのため、同じ歳の咲や樹里と三人で過ごすことが多くなっていた。
夕陽が沈みかけたある日の夕方、公園で三人で話していた私たちは自分の好きな人について語っていた。
シーソーにまたがっていた私と咲に樹里が質問をした。
「ねぇ、咲と絢香は好きな人とかいないの?」
正直こういう話は苦手だった。
特別異性を意識したことなんてない。
11歳で初恋はまだだった。
「んー、別にいないかな。」
咲が最初に答えた。
でも知ってたよ、この頃から柚也兄ちゃんのこと好きだったでしょ。