恋涙


バレンタインの日の夜、受験も終わった私は夜の11時過ぎまでテレビを見ていた。


そのとき、ケータイが七色に光って鳴り出した。


先生からのメール。



その文章は、先生の本音が書かれてた。


生徒を指導していて大変だったこと、私に対して何も出来ない自分が情けなかったこと。

私の存在が、先生の頑張る源になっていたこと。


これから、先の私の成長が楽しみで仕方がない。

そう言ってくれた。



そのメールの内容は一回では送信できず、二通にわたって送ってくれた。


私は先生に支えられてばっかりいたと思ってたから、自分の存在が先生の力になっていたんて思わなかったし、そう言ってもらえて本当にうれしかった。



そのメールの返信はすごく困ったけど、私の言葉で私なりに大変だったこと、先生への感謝、そしてこれから先自分がどう生きたいのかを素直に話した。



先生は私をすごいって言ったけど、すごいのは先生の方なの。


変わらずずっとそばにいてくれたこと、本当にうれしかった。



私は今でもそのメールを大切にとっておいてる。



卒業してからそのメールを見たのはたった一回。



もう二年くらい前かな。



思い出すと会いたくなるから見ない。


きっともう会えないから。





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