恋涙

それから私は学校に行くことはなかった。


行けば辛くなるの自分でよく分かってたから。


結局何も言えないまま、何もできないまま私は大学に入学した。



ここから先は少し省略して話そう。


もちろん先生とも連絡はあまり取らなくなって、普通の大学生活を送ってた。


入学して二か月経った頃までは。



五月も半ばのころだったかな。


夜中に急に心臓が苦しくなった。


汗が止まらなくなって、動悸も激しくなって、とにかく苦しかった。


病院に行くとすぐに精密検査が行われた。



結果が出るまでは時間がかかるって言われてたけど、私は自分がどんな状態なのかなんとなくわかってた。



まさかの再発。


幸せな時間はすぐに終わった。



だけど私は病気のことを大学の友達に話してなかったんだ。


なんの病気なのか、どういう状態なのか、友達にどう説明したらいいのかわからなかったの。


自分は病気だ、って言って友達はどんな反応をするのか。

みんなが離れていきそうで怖かった。



話を聞いてくれる先生もいなくて、今度こそ死ぬかもしれないという恐怖感を話す相手もいなくて、とにかく怖かった。












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