恋涙
「ほんとに?あいつね、今年で36か7になるんだけど女遊びの一つしなくて将来心配なんだよー。君が本気でいいと思うなら久保に言っておくよ!」
大谷さんはなんだかすごく一人で盛り上がってた。
「え、でも私まだ二十歳ですよ。久保さんとは釣り合わないんじゃ・・・」
「年気にする?」
「そんなことはないですけど・・・」
「よし!じゃあ久保に今から電話しよう!」
大谷さんはポケットから携帯電話を取り出した。
「あ!俺久保の番号知らないや。」
少しだけホッとしてる私がいた。
そこに若い、久保さんくらいの年齢の社員さんが通りかかった。
「あ、お前久保の番号知ってるか?この子、久保のこと好きなんだって!」
「えっ・・大谷さん!」
私は止めようとしたけど、もう状況がめちゃくちゃだった。
「そうなんですか!?知ってますよ!いやーおれあいつと同期ですけどあいつのこと好きって言った女の人初めて見ました。」
そう言ってその社員さんは大谷さんに久保さんの番号を教え始めた。
大谷さんは早速久保さんに電話をした。
「なんだ・・出ないじゃん。女のところにでも遊びに行ってるのかな?」
留守番電話の案内になったらしく、大谷さんは電話を渋々切った。
私はよかったと思いながら厨房の方に戻って後輩と片付けをしてた。
「いやー大谷さんには困ったもんだわ。」
後輩にそんなことを話してると、ホールから大谷さんの声が聞こえた。
「久保と電話つながったよー!」