恋涙

次の日、その話をユリにした。

その日に電話をかける予定だったけどもちろんなし。


急遽ユリとご飯を食べにいくことになった。


「なんで断っちゃったの?」


ユリはもったいないっていう顔で私を見た。


「なんでって?」


「だってさー、電話かけようと思ったくらい気になってたのに・・・。」


「うーん・・分かんないんだよね。こんな中途半端じゃダメなんだよ、きっと。」



このとき私が本当に悩んでた理由はただ単に怖かったから。


それに、久保さんのことを本当に好きなのか分からなかった。


久保さんと付き合うのは、簡単な気持ちで、とはいかなかった。


一番はやっぱり年齢の差。


私たちは16歳、学年的には17歳の年齢差があった。


その年齢差を越えて付き合う勇気なんて私にはなかった。



ユリは私を何度も私を説得しようとしていた。


ユリの話を聞かされるたびに、私は自分で大切なものを手放そうとしてるんじゃないかって気にさせられた。



久保さんは秋人のお母さんと同じ歳。


そんな人に私が恋なんてするはずない。


そう自分に言い聞かせてたのかもしれない。









< 280 / 366 >

この作品をシェア

pagetop