恋涙
年齢差
久保さんがお店に通ってくれるようになってから、久保さんのことを考えることが多くなった。
考えたくなくてもお店で会ってしまう。
久保さんに対する気持ちが恋なのか、憧れなのか分からなかった。
だけど本当に久保さんが一生懸命私のことを見てくれる。
そう思うと自分の心の中で変化するものが多くなっていった。
こんなに一生懸命な人、きっといない。
もしかしたら二度と出会えない大切な人かもしれない。
そう思うようになっていった。
きっと自分はもう結稀と一緒にいた頃のような恋愛はできない。
きっとそんな恋愛は結稀と比べてしまうだけ。
だから歳の離れた久保さんと落ち着いた恋愛をするほうが幸せなのかもしれない。
そう思うようになってから、自分の中でストップをかけていた何かが無くなった。
久保さんのことが好きだ。
その気持ちがあればそれでいい。
そう思ったんだ。
ある日、いつものように久保さんが接待でお店に来ていて、私がレジで作業をしているとお会計をしに久保さんがレジまできた。
「あの・・今日話したいことがあるんですけど仕事終わるまで待っててもらえないですか?」
お会計をしながら私は久保さんに言った。
「えーっと・・・じゃあ上司を送ってきてまた戻ってきます。」
「ありがとうございます。じゃあ後で・・・。」
久保さんは約束どおり仕事が終わるまで待っててくれた。
外に出ると、久保さんは車から降りて空を眺めて待っていた。