恋涙


樹里は「用事があるから」と、先に帰っていった。



夕方の公園に私と咲だけが残る。




「本当に結稀くんのこと好きじゃないの?」



咲が私の顔をのぞく。




「だから考えたこともないって。」



「でも結稀くんは絢香のこと好きでしょ?」



そんな会話が続く。




「私は夏休みとかしか会えないし、いつもケンカばっかりだよ。」



そろそろ帰ろうと私が立ち上がると、咲も一緒に立ち上がって「樹里に取られても知らんけぇねー。」と言った。






私にはまだ早すぎた恋心。



気付くのが遅すぎた恋心。



二人の言葉は私に自分の気持ちを考えさせた。
< 29 / 366 >

この作品をシェア

pagetop