恋涙
樹里は「用事があるから」と、先に帰っていった。
夕方の公園に私と咲だけが残る。
「本当に結稀くんのこと好きじゃないの?」
咲が私の顔をのぞく。
「だから考えたこともないって。」
「でも結稀くんは絢香のこと好きでしょ?」
そんな会話が続く。
「私は夏休みとかしか会えないし、いつもケンカばっかりだよ。」
そろそろ帰ろうと私が立ち上がると、咲も一緒に立ち上がって「樹里に取られても知らんけぇねー。」と言った。
私にはまだ早すぎた恋心。
気付くのが遅すぎた恋心。
二人の言葉は私に自分の気持ちを考えさせた。