恋涙
その時も一週間連絡がすれ違っていた時だった。
日曜日が必ず休みの私は、あまり期待をしていないながらも彼のケータイに電話をかけた。
すると、珍しく連絡を取ることができたんだ。
「もしもし?」
「あ、もしもし。ずっとすれ違ってごめん。月曜日に電話くれたよね?」
「あぁ。俺、引っ越したから。」
「えっ・・どこに?」
「君の家とお店の中間地点ってところかな。」
「それはまた急だね。」
「いや、そのほうが何かと安心だろ?」
すごく驚いたけど、嬉しかった。
引っ越してきたことで毎日会えることになったわけじゃないけど、気を遣ってくれてるのがすごくよくわかった。
彼が近くに引っ越してきて、時間がある時は私もアパートによく遊びに行くようになった。
すれ違いで会えなくても、ご飯を作って自分も仕事に行ったりしてた。
そんな生活が二カ月近く経ち、私が大学が夏休みになった。
夜は仕事でも、昼間は空いているから彼が平日に休みでも昼間は一緒にいられる時間が多かった。
彼が次の日休みの時は、仕事が終わってから泊まりに行くこともできて夏休みはそれなりに充実してた。
でも、この夏休みで全ての運命が変わろうとしていることに私は全然気づきもしなかった。