恋涙

「もう疲れてきた・・・。」


久保さんは私の質問にそう返した。



その言葉の意味が別れることを意味しているものだと私は思った。


「そう思うなら仕方ないね。」



その言葉は半ば諦めだったのかもしれない。


私はそれだけ言って彼のアパートを出た。


久保さんは出ていく私を止めようともしなかった。



アパートの階段を下りている途中で、もう涙があふれ出した。


どうしてこうなるんだろう。


どうして・・・



だけど彼がどうしてそんなことを急に言い出したのか私にはよく分からなかった。



「疲れた」という彼の言葉が何を意味しているのか・・・


それが本当に別れを意味しているのか・・・



それを知るのが怖くて、それ以来私は彼のアパートに行くことも連絡を取ることもできなくなった。




そんな状態が約二週間続いた。






< 301 / 366 >

この作品をシェア

pagetop