恋涙

お風呂から上がると、そのまま夕食の会場にまっすぐ向かった。


指定された席に着くと、たくさんの料理が運ばれてきた。


海の近くならではの料理だ。


「すごいね!おいしそう!」


私のテンションも上がる。


「お前、今日ここ来てからすごいって何回言ったんだよ。」


久保さんが笑った。


確かにね、お風呂も料理も、そして真っ青な空もすごいんだよ。


でも、久保さんとこうやってすごいものを見れることも私にとってすごいことなんだよ・・・


私にとっての奇跡なの。


あなたはそんなこと思ってもないだろうけど。




お酒を飲んでいた久保さんは、小一時間もするとすごい上機嫌になっていた。


私と違って久保さんは結構お酒が強い方だと思うんだけど、飲むとすごい人格が変わるんだ。


おじいちゃんもそうだったんだけど、いつもは頭が固すぎると思うくらい真面目なのに、すごいハイテンションになっちゃう。


こうなると結構手がかかる。



接待の時は運転手だから飲まなくて大丈夫だけど、たまに大場くんなんかと飲んでくると大変。


一時間以上、久保さんの話を聞かされる。



そして、時々すごい大胆な行動をする。


それはこれを読んでいる人の想像にお任せするけど。




食べ終えた私は久保さんに早く部屋に戻ろうと声をかけた。

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