恋涙

幸せの道


部屋に戻ると、久保さんは布団の上にうつ伏せで寝ていた。


「ねぇ、風邪引くよ。」


私は寝ている久保さんの隣に座って起こそうとした。


だけど背中を叩いても「うう・・ん」と唸るだけで起きようとしない。



諦めて私は立ち上がった。


すると久保さんがパシっと私の腕を掴んだ。


「きゃっ・・いたーい!」


あっという間に私の体は久保さんの体の下にあった。


「へへ・・寝たふり!」


酔っているといつもこんな風にふざける。


「もう・・ホントこのパターン好きだよね!そのうち頭へっこみそうだよ!」


いきなり倒された私は頭を押さえた。



「どれどれ・・・」


久保さんは私の頭を触った。


「あーあ。おバカな頭が俺のせいでもっと・・・・」


「ひどい!」


久保さんは大笑いした。



「どいてよ。」


私は自分の体の上にある久保さんの体をどけようと手を伸ばした。



その手を久保さんは掴んで、まだ笑っている。



「好きだよ・・・」



久保さんのその言葉が響いた。

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