恋涙
秘密基地まで、私たちは走り続けた。
久しぶりに見た秘密基地は小さいころから変わらず、私たちの軌跡を物語っていた。
「何にも変わらないなぁ。こんなに小さかったっけ?この秘密基地。」
「結稀が大きくなったんだよ(笑)昔はこーんなに小さかったのに。」
私が手で結稀の小さい頃の背丈を表すと、「そんなに小さくないだろ。」と軽く笑った。
「そっか。」と、私も笑うと結稀が私の顔をじっと見る。
「お前さ、今好きなやつとかいるわけ?」
私の考えていることを知っていたかのように結稀が聞く。
「え・・・なんで?」
「恋の悩みかと思って。」
その言葉に少し考えた。