恋涙

その日の夜、夢を見た。


小さな島。


青い海。


そして青い空。



そこには私と彼しかいなくて、ずっとずっと二人が一緒にいれる永遠の世界。


まさに天国のような場所。


隣を見れば彼がいつもの笑顔で笑っていて、すごく幸せだった。



だけど、そんな日々がいつまでも続かないと・・・


離れなければならない日が来ることを夢の中でも分かっていて・・・



握った手を離すまいと必死でなんだ。



そんな自分が聞き分けのない子どもみたいで情けなくなった。



現実でも夢の中でも彼を想って泣くのは同じ。



この夢が覚めたら、もしかしたら彼はもういないのかもしれない。



だとしたら・・・このままもう目が覚めなくてもいい。



そう思うっていうことは、この幸せな時間が夢だと分かっている夢なんだ。



心のどこかで彼がいなくなることを自分でもちゃんと分かってるんだ。




それがまた悲しい。



やっぱり目が覚めて一番に愛する人の顔が見たい。
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