恋涙
告白
黙っている私に結稀が何かを言おうとした時だった。
「そういう結稀兄ちゃんは好きな子でもいるわけ?」
その声は秋人だった。
「なんでお前がここにいるんだよ。」
この二人は何だかんだで犬猿の仲。
「ここで本読むのが日課だから。」
「お前ホントに小学五年生かよ・・・。」
秋人はそっぽを向く。
「で、結稀兄ちゃんは絢香のことが好きなんだろ?」
秋人が私と結稀を見つめる。
固まる二人に秋人は「お邪魔のようだね。」と言って去っていった。
沈黙だけがその場に広がった。