恋涙

大学の夏休みが終わった。


大学が始まると、もちろん家事は大変だったけど、彼と生活を共にする上で考えてしまうことがやっぱり多いから友達に会えることは救いだった。


私は夏休み中に起きた出来事、自分の病気、今自分がどうしたいのかを友達に話した。


泣いてくれる友達もいた。

私自信、泣きたい気持ちでいっぱいだった。


だけど一度泣いてしまったらもう彼とは一緒に暮らせないんじゃないかって心のどこかで思っていたんだ。


友達の前でも絶対泣かない。

最後まで一緒にいると決めた以上、私は泣かない。


彼がいなくなるまで。


そう決めていた。


そんなときだった。


講義が始まる少し前に彼から着信があった。


仕事中のはずなのにおかしいな、と思いながら私は電話に出た。


「もしもし?」


「あー・・熱出たから会社早退した。」


「えぇ!?大丈夫?病院行って!」


久保さんはその日の朝から体がだるいと言っていたけど、熱が無かったから会社に行くと行って出勤した。


「うーん。保険証どこ?」


「リビングの青い引き出しの中だから。」


それだけ言って私は電話を切った。















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