恋涙
「いってらっしゃい。」
久しぶりに玄関先で彼を見送って、車に乗る彼にベランダから手を振った。
家事を終えて大学へ向かうと、いつもの日常がある。
その日は彼と過ごす最後の休みのことを考えていた。
たまたま彼の休みが私の全休の日に重なった。
きっと講義が入っていたとしても大学へは行かなかっただろうけど。
講義の間もいろいろ考えるんだけど、やりたいことよりも彼がいなくなってしまった後のことを考えてしまって、彼がいなくなるまでの時間のことを考えてしまって、辛くなった。
何度も何度も泣きそうになるから、友達に隠れて抑えきれない涙を流した。
それでもそれが運命なら、自分の決めたことなら、受け入れるしかなかった。
もし病気がなかったら迷わずついていったのに・・・ってここまで来ても思うんだ。
最後に私は彼とどうやって過ごしたいんだろう。
今まで一緒に過ごしてきた時間はどう過ごしてきたんだろう。
考えれば考えるほど辛くなった。
離れ離れになったあと、私たちは生きている間にもう一度逢えるのだろうか。
彼も私も、いつかお互いを忘れて別の誰かと幸せを見つける日が来るのだろうか。
そんな余計なことばかりが頭の中に浮かぶんだ。
辛いんだよ。
考えること全てが辛かった。