恋涙
その沈黙を破ったのは結稀。
「お前を女として見ろって言われたって見れんけぇね(笑)」
ちょっとだけ胸が痛かった。
「もう少し大人になりなさい。お子ちゃま!」
二つ年上の結稀はなにかを茶化すとき、必ず「おこちゃま」って言うんだ。
「こっちだって一回も男として見たことなんて無いし!宮城にいっぱいカッコイイ男の子いるけぇねー。」
こういう言い方がまだ子どもだったんだと今は思う(笑)
でも、小さいころからいつもこんな風にケンカしてきた。
これが私たち。
今はまだ、こんな風に二人が笑っていられればそれでいいと思ってた。