恋涙
好きだった。
きっと、自分が言葉や態度に表すよりずっと。
いつも真っ直ぐ私を見てくれた。
弱いところも、強がりなところも全部全部受け入れてくれた。
年齢が離れている分、少し背伸びをしていたかもしれない。
すれ違うこともあった。
だけど、出会ったことに感謝してる。
こんなに誰かを一生懸命好きになって、相手との将来を考えて悩んで。
私は一緒に過ごした日々の中で大切なものをたくさんもらった。
それは形も大きさもバラバラだけど、全てを繋ぎ合わせた分だけの幸せが確かにあった。
私は不器用すぎて自分にある気持ちのたった数パーセント分しか伝えられてなかったけど、そんな私のいつも横を歩いてくれた。
ありがとうって言葉じゃ足りなくて、だけどそれ以外の言葉は思いつかなくて・・・
障害だらけの恋だったけど、私なりに必死で守ろうとした。
それくらい、真剣に好きだった。
失いたくはなかったよ。
ずっとその温もりに触れていたかった。
いつか聞いたことがある。
この世で一番美しいものは、老夫婦が手を繋いで歩く姿だって。
そうやってお互いがしわくちゃの老人になるまで、ずっと手を繋いで人生を歩いていきたかったよ。
叶わなかったけど、そんな夢を見ていたんだ。
でも幸せだった。
それはきっと一生心の中で覚えてるよ。