恋涙
公園に着くと、結稀はベンチに座って待っていた。
「ごめん、明日宮城に帰るのにこんな夜遅くに呼び出して。」
チームTシャツ姿の結稀は首に手を当てながら話す。
「うん、大丈夫。で、話ってなに?」
「んー・・・。」
結稀が私に背中を向ける。
「何なの?」
しばらく沈黙が続き、やっと結稀が口を開いた。
「俺、樹里に告白されたんだけど。」
一瞬、何を言ってるのか分からなかった。
予測してなかったから。
この時、なんとなく結稀を取られる気がした。